おいしいものとわたしの幸せたち。

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東京国立近代美術館 あやしい絵展に行ってきました。

こんにちは。わたしです。

今更だけど春ですね…(おそらく更新する頃にはもうすっかり葉桜なんだろうな…)

これは大手町の桜。この日は3月の最終週でしたがすっごく綺麗に咲いていました。

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大手町から歩いて東京国立近代美術館へ。ここも桜が咲いていて綺麗です。

ここ数年で美術館にちょこちょこ行くようになったこともありこの美術館は初めてくるなあ。
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今回はこちらのあやしい絵展へやってきました。
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ayashiie2021.jp

わたしにしては珍しくまだ会期中の更新なので気になった方は是非行ってみてくださいね。(一部作品の入れ替えはあるようです)夏には大阪でも開催するみたい。

今回の展覧会では一部作品写真の撮影ができました。

最近の展覧会はSNSでの拡散を期待しているのか撮影可能なところが増えていますよね。
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結構注意事項が多く、すごく良いな〜と思った作品はことごとく撮影不可で(撮影不可な物かなりありました)撮影可能の展覧会にしては厳しめな印象ではありましたがそれでもありがたいな。所蔵先を書くよう指定あるのはいいな。SNSなどを見た人が今回の展覧会を逃しても所蔵先で見れる可能性ありますもんね。

 

上記で書いた通り好きな作品は割と撮影不可だったのですがいいなと思ったもの写真撮ってきたので載せていきますね。なんだかんだ気に入ったのを撮ろうと思ってるのに意外と多くなってしまいました(笑)あるあるだよね…。


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稲垣仲静 「猫」 星野画廊

一つ目の作品がこれでした。可愛いだけではなくなんだか怪しい目のような猫ちゃん。

25歳で夭折した画家で再評価されているそうです。展覧会内ではこの猫ちゃんが解説してくれた都々逸を添えてくれたりと案内役になっていましたよ。

 

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安本亀八 「白瀧姫」 桐生歴史文化資料館蔵

生人形。これも入ってすぐのところにあったんだけどあまりのリアルさにうわあ…ってなりますね。目元の彫りとかえくぼの凹凸とかも細かい…。

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曽我蕭白 「美人図」 奈良県立美術館

ぼろぼろの文を噛む女性。たしかに純粋な美人画にしては不穏な感じだし怪しい…

と解説を読んでみると背後の蘭や着物の文様に中国の詩人、屈原のイメージが重ねられているそう。彼は事実無根の悪口で疎まれ世を嘆いて川に身を投げて亡くなったそうでそんな恨みの念が描かれているそうな…そうみるとただ怪しいだけじゃない絵画ですね。
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藤島武二 「音楽六題・笛」 公益財団法人ひろしま美術館

小さな絵が並んでいて可愛かった。中でも笛が一番好きかも。色の使い方も素敵。

純粋に好きだな。
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藤島武二 「夢想」 横須賀美術館

同じ藤島武二の”婦人と朝顔”が好きだったんだけどそちらは撮影禁止だったのでこちらを。アンニュイな表情いいな。留学されていたこともあって西洋画っぽい〜!


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アルフォンス・ミュシャ 「ジスモンダ」ポスター 三浦コレクション,川崎市市民ミュージアム

影響を与えた西洋の作品としてミュシャもありました。あやしい絵展気になるしミュシャもあるしな〜と思って来場を決めたのでみることができてよかった。

ミュシャは女優サラ・ベルナールの作品のポスターをたくさん描いているんだけどこれが一番初めで急遽再演が決まってポスターを用意しなくてはならなかったところに友人の代わりに印刷所で働いていたミュシャが急遽描くことになりこれが気に入られてサラベルナールと独占契約をしたんですよね。そんな出世作ですがこれまでなんで見出されてなかったの?!ってくらいすでに完成度が高いんだよな…


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アルフォンス・ミュシャサラ・ベルナール主演『ラ・トスカ』ポスター」 三浦コレクション,川崎市市民ミュージアム

こちらも同じくサラ・ベルナールの劇「ラ・トスカ」のポスター。劇のことは詳しくないのでお話しできないけれどもお花も繊細ですごくかわいい…。色味はこちらの方が好きだな。
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谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂大正8年)「人魚の嘆き」水島爾保布 弥生美術館

谷崎潤一郎が人魚の話を書いていたの知らなかった。まさに怪物のようなダークなラストすごくよいですよね…


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谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂大正8年)「人魚の嘆き」水島爾保布 弥生美術館

こちらも同じく”人魚の嘆き”のイラスト。オーブリー・ヴィンセント・ピアズリーのサロメと同じような笑みを浮かべてる…そうな。

 

一番最初の稲垣仲静 の「猫」が都々逸をこうやって紹介してガラスに書かれています。なんとなくわかる〜〜と思って写真撮ってしまいました。

恋愛でも食欲でも物欲でも、諦められぬと諦めちゃうものってあるよね…(笑)

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 他にもいろいろと素敵なものはありましたが作品とは特別関係がある感じではなさそうだったので割愛。
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木村 斯光 「清姫笠岡市立竹喬美術館

これまた素敵。思いを寄せた僧に裏切られた少女 清姫が激怒し蛇になり僧を焼き殺す話ですが狂気と恨み憎みの象徴なのか清姫の作品がいくつもありました。

あとは高野聖を題材にしたものも多かった。鏑木清方高野聖も撮影できなかったけれど素敵だったな…

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橘小夢 「刺青」 個人蔵

 女郎蜘蛛を掘られた少女の画。男を破滅に導く魔性を少女に感じ薬で眠らせて勝手に刺青を掘られるらしいんだけどひどい話だし背中いっぱいに彫られた蜘蛛がグロテスク…。ところで小夢でさゆめって読ませるの可愛いですよねHNにしよかな…()


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島成園 「無題」 大阪市立美術館

 これすごく好きな絵でした。あざのついた女性の運命と世を呪う気持ちを描いたそう。そのなんともいえない表情。ぽかりと開いた赤い唇…すごく良いな。
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甲斐庄楠音 「畜生塚」 京都国立近代美術館

豊臣秀吉の甥、豊臣秀次の妻妾と侍女たちが斬罪に処されるところを描いた画。

一人一人の表情の書きわけがすごいし未完でこの迫力…
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甲斐庄楠音 「横櫛」 京都国立近代美術館

今回のメインの画として広告やチケットにも使われているもの。ぼやっとした笑みは本当に妖艶。モナリザの影響を受けているそうな。色彩も美しくて素敵な作品。
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甲斐庄楠音 「幻覚(踊る女)」 京都国立近代美術館

同じ方の作品。この方本当に色彩が綺麗ですね。最近の作品だと言われても納得できる感じです。手足の躍動感や後ろの悪魔のような影が気になる。
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岡本神草 「拳を打てる三人の舞妓の習作」 京都国立近代美術館

 拳遊びに興じている3人の舞子。切れている部分が気になりますがなんと展覧会に間に合わせるために出来上がっていた真ん中の部分だけ切り取って出品したそうな。

そんなことある?!って感じなのがまた面白い。

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岡本神草 「仮面の持てる女」 京都国立近代美術館

般若の面を持ちなにかいいたげに微笑む女性、結構好きです。

 

そして今回の展覧会ですごく気になったのが以下の作品を描いた秦テルヲさんという画家。
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秦テルヲ 「血の池」 京都国立近代美術館

この暗い色使いとざらついた塗り方、弱者への共感と同情を描いたそうな。
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秦テルヲ 「眠れる児」 京都国立近代美術館

これを見て「ゴーギャンみあるな…」と思っていたらなんと秦テルヲは子供が生まれたのをきっかけにゴーギャンから影響を受け宗教的題材に目覚めたそうな…わたしすごいじゃん…ってなりました(笑)
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秦テルヲ 「女たち」 京都国立近代美術館 

苦悩した虐げられた女性たち。これも血の池的な暗い色使いで好きだな。 

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北野恒富 「道行」 福富太郎コレクション資料室

これもかなり好きだった作品。近松門左衛門の「心中天網島」を題材としていてこれから心中に向かう男女の切なく悲しい様子が描かれている。

不穏だけどいい感じですよね。
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そしてそこに高杉が遊女に読んだ都々逸が添えられてるのはしゃれ〜〜〜〜!ってなってしまいました(笑)

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小村雪岱 邦枝完二「お傳地獄」挿絵原画「刺青」平凡社昭和10年 埼玉県立近代美術館

やっぱり刺青を彫る…ってなんだか昔からあやしく妖艶でなんかエモい感じあるんだろうな…と思わされます。
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高畑華宵 少女画報 17巻4号 表紙絵「ばらの園」 弥生美術館

急に乙女チックな絵へ。大正期以降女学校が設立されたのを背景に少女雑誌が多く刊行されたそう。こういった雑誌から少女たちの憧れの女性像が塗り替えられたそうです。

とそんな感じでした。

写真は撮れなかったものの絶対見たかった上村松園の焔を見ることができて本当によかったです。(焔は東京会場のみ3/23-4/4までの展示ですでに終了しています)やっぱり六条御息所は生き霊でありながら日本を代表する霊だよね…。

 

普段は西洋画ばかりに惹かれてしまいそうした展示にいくことが多いのですが不思議なご縁とタイミングで素敵な展覧会にいくことができ大満足でした。
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大手町だといろいろとお食事するところもあるし丸の内から歩いてくるのもいいし立地も良かったな。

展示は少し変更されていますが5/16まで開催しているのでぜひ行ってみてください。

ではでは!また次のブログでお会いしましょう。ばいばーい!